野球は、1チーム9人の選手が交互に攻撃と守備を、一般的な試合では九回繰り返し、得点を競うスポーツである。球技と称されるものの一種。英語ではベースボール。主に競技の発祥国であるアメリカ合衆国の他にキューバやドミニカ共和国などのカリブ海周辺の諸国、日本や韓国、台湾などといった東アジア地域の国や地域を中心に行われているスポーツである。しかし、上記の国や地域以外では比較的に馴染みの薄いスポーツでもある。
野球は、2つのチームが攻撃と守備を交互に繰り返して勝敗を競う競技である。大会やリーグによって、予め定めた以上の一方的展開になった場合や気象条件等により途中で試合を打ち切るコールドゲームの規定、攻撃時に投手と呼ばれるポジションの選手の代わりに攻撃専門の選手を使う指名打者制度の有無、審判員の人数等細かな違いがあるが、これは大会やリーグごとに、それぞれの環境で最良と考えられる制度を採用しているためである。
試合は個人プレイや連係プレイなどがはっきりしており観戦しやすい。バスケットボールやラグビーのような時間制ではないため、試合の展開により試合時間に大きな幅があるが、テンポよく進行すれば概ね1試合2時間〜3時間程度である。守備時にボールを投げ続ける投手と捕手を除けば試合中の肉体的な負担や疲労は少ない。一方でこの一試合の負担や疲労の少なさは試合数を数多くこなせることにもつながり、世界的にはメジャーリーグベースボールと日本プロ野球の2つのプロリーグでは年間150試合前後の公式戦を行うことで大きなビジネスとなっている。
世界では北米のアメリカ合衆国・カナダ、中南米のメキシコ・キューバ・ドミニカ共和国・ニカラグア・パナマ・プエルトリコ・コロンビア・ベネズエラ、そして日本や台湾・韓国などの東アジアで盛んである。日本では非常に人気の高いスポーツの1つであり、野球用語である「ヒット」「アウト」「トップバッター」「セーフ」「続投」「ピンチヒッター」等の言葉は野球以外でも様々な局面に転じて使われるほどである。
現在野球で用いられているボールは硬式球・準硬式球・軟式球の3種類があり、使用するボールにより、それぞれ硬式野球・準硬式野球・軟式野球と呼ばれる。日本では、プロ野球や都市対抗野球、大学野球、甲子園の高校野球では硬式が使われており、一般的に組織名や大会名などで単に野球と称する場合は硬式野球を示す場合が通例である。一般のレクリエーションとしての野球や、小学校や中学校などで行われる野球は、軟式野球が主である。準硬式野球は、あくまで運営組織の分類上も多くの場合は軟式野球の一種として扱われているが、用具や試合会場は硬式と共用の物が用いられる。
野球が変化して生まれたものとして、フィンランドを中心に行われているペサパッロやソフトボールがある。特にソフトボールは女性や子供、高齢者にも楽しめるような競技として広まった。
野球の起源は明らかになっていないが、英国の球技である「タウンボール」が英国系移民によって米国に持ち込まれ、そのタウンボールが変化し、野球として形成されたと考える研究者が多い。1907年、米国で組織されたベースボール起源調査委員会は、「1839年に米国の軍人アブナー・ダブルデイが野球を考案し、ニューヨーク州クーパーズタウンで最初の試合を催行した」とする説を唱えたが、この説は矛盾点が多く見つかり、現在では有力なものとはいえなくなっている。
日本へは、1871年に来日した米国人ホーレス・ウィルソンが当時の東京開成学校予科で教え、その後全国的に広まった。従って、日本国内の野球の創世記の歴史は、そのまま大学野球の創世記の歴史と重なっている。なお、ホーレス・ウィルソンは2003年、その功績から野球殿堂入りしている。
グラブやミットは、投球、打球、送球を受けるための革で作られた用具である。形状によってミットは捕手用のキャッチャーミット・一塁手用のファーストミットの2種類があり、グラブには投手用・二塁手用・三塁手用・遊撃手用・外野手用・ある程度まんべんなく使えるオールラウンド向け等、数種類に分類することができる。そのそれぞれについて、右投げ用・左投げ用がある。両投げ用は、基本的には存在しない。また、グラブはどの形状でもすべてのポジションで使用できるが、ミットに関しては捕手と一塁手の使用に限定されている。また、投手が着用するグラブについては、グラブ全体が一色であり、かつ白色・灰色以外であること、グラブにグラブの色と異なるものをつけてはならないことの制限がある。
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